マリーニ
#Marini
「幻の靴」と称されるローマの伝統的シューメーカー
1893年、ジョゼッペ・マリーニ氏がローマで創業したス・ミズーラ(パターンオーダー)工房。ローマのシスティーナ通りにほど近い、貴族の屋敷や高級ホテルなどが集まる閑静な一角に小さな店舗兼用アトリエを営んでいる。
イタリアの王族・上流階級や貴族・財政界の要人などVIPを主な顧客に持ち、1世紀以上続くクラシックシューズを極めるビスポーク注文靴の名店で、すでに120年以上もの歴史をもつ老舗である。
初代のジュゼッペ氏が同店を創業し、1920年代頃までは、なんとサルヴァトーレ・フェラガモも一緒に仕事をしていたという伝説的な名店である。現主人は3代目に当たるカルロ・マリーニ氏。
この人物が全工程をひとりで手掛けているので、生産数は1カ月でたったの4、5足。年間でわずか50足程というから、マリーニの靴は大変希少性が高く、実際、「幻の靴」と称される。
マリーニならではのビスポークによるフィッティングは、感動の一言。心地良く足全体が包まれる感覚で、まさに足に吸い付くような履き心地である。素材は、ヴィンテージ家具を想い起こさせる風合いと美しい色艶を持つオーク系ミディアムブラウン茶色のロシアンカーフに良く似た感じの極上グレインレザー揉み革を贅沢採用。
最高レベルの既成靴と比較しても、その違いが一目瞭然なほどきめが細かく艶やかで雰囲気は抜群である。そんなビスポークの名店が2011年より満を持して既成靴をスタートさせたことはファンを驚かせた。今後の展開も注目されるブランドだ。