ヘンリー・マックスウェル
#Henry Maxwell
英国最後のシューメーカー
現在ある英国靴各社のうち、最古の歴史をもつブランド。創業は1750年。日本は江戸時代中期の徳川吉宗の世である。ヘンリー マックスウェルは250年もの長い歴史を誇る名門中の名門なのである。
創立当初はシューメーカーではなく、乗馬ブーツ用の拍車作りからスタート。次第にビスポークの乗馬ブーツなどを製作するようになった。履き心地の良さとシェイプが崩れないことが評価され、1823年には時の国王ジョージ4世、そしてその後エリザベス2世に至るまで御用達にもなっている。
以後、ロイヤルファミリーをはじめ英国の上流階級の人々のみを顧客に、第一級のビスポークシューメーカーとしてその名を馳せてきたが、現在はロンドンのジャーミンストリートにある名門のシューメーカー、「フォスター&サン」の傘下でその栄光の歴史を今に伝えている。
「フォスター&サン」の傘下に入る前には、ヘンリー・マックスウェルはサヴィル・ロウにあるテーラー「HUNTSMAN(ハンツマン)」の地下に存在していた。注文が入らなくても靴職人を遊ばせないようにするために、完全手縫いの既成靴を作らせていたこともある。
元より、アッパー(甲革)に上質な革を贅沢に使用するなど、ヘンリー・マックスウェルは素材にもこだわっている。ライニング(アッパーの内張り)に関しても、通常であれば複数に分けたパーツを継ぎ合わせるところを、1つのパーツで成型している。
乗馬ブーツの製作で得たノウハウを活かし、細かい採寸によって履く人の足の形を徹底的に理解してから木型を作り始めるスタイルが、英国第一級のビスポークシューズメーカーとしてその名を広めた。英国では、馬を持つことはプレステージの象徴。ヘンリー・マックスウェルは上流階級の人々に格調高いフットウェアを提供しつづけている、信頼性の高い店である。