革靴を長持ちさせる方法
革靴を長く履き続けるためには「正しいケア」だけでなく「履き方」そのものを意識することで、靴への ダメージを軽減させることができます。革靴のお手入れというと「光らせる」「汚れを落と す」など磨くことに目が行きがちですが日々の履き方も大きく影響してきます。
Boston&ReOlds では、革靴を長く履き続けて頂く為に必要な「基礎知識」を皆様と共有出来たらと思っております。こちらの記事にも、革靴を履くうえで大切なポイントを記載し ておりますので、参考になれば幸いです。
1、靴は毎日履かずに休ませる
足は 1 日あたりおおよそコップ 1 杯分の汗をかくと言われています。革靴は水分を吸収してしまうので、水分を蒸発させるために休ませる必要があります。時間をおくことによっ て靴への痛みを軽減させることができます。
1 足の靴を毎日履き、そのまま履きつぶしてしまう方もいらっしゃると思います。理想としては複数革靴を持ち、ローテーションして履いて頂くと長く愛用して頂けると思います。
加えて靴をしっかり休ませるためには、シューキーパーを装着し型崩れを防ぎましょう。 靴も私たちと同じで毎日履くと疲れていきます。良いエイジング(長く履き続けることで生まれる味わい)を出すためにもきちんと 休ませてあげましょう。
2、靴べらは常に持ち歩く
靴の中でもかかとはとても大事な部分です。後ろからのシルエットなど見た目もそうですが、革靴では芯が入っていることが多く一度曲がると元には戻りません。
忙しい時や急いでいる際に、靴ベラを使わずにつま先を床に打ち付けて靴を履かれる方も 多いと思います。つま先を傷つけるだけでなく、無理やり足入れすることで踵だけでなく 靴全体の型崩れの原因になります。
紳士の身だしなみ・大人の所作の一環として、靴ベラを使用し靴をお履きください。玄関に1つ。そして、小さい持ち運び用の靴ベラを持つこともお勧めです。
3、靴紐は毎回はずす
靴紐を結ぶのにも一手間かかりますが、靴紐を外さずに靴をはくというのは、靴の形(特に足の甲)の部分に負担をかけて履くことになります。
靴紐も同じ場所で結び続けると、そこで固まって、ほこりがたまり、靴紐自体が消耗してしまいます。少しずつ痛んでいくので、毎日紐を解くことで、そのスピードを落とすことができます。
4、シューツリーを使って保管する
シューツリーは靴の形を保持するために必要不可欠なアイテムです。一日でも靴を履いて 歩いていると、靴は反り返ってきます。反り返るとシワができ、そこに汚れや埃が溜まると痛む原因になります。
靴全体を張り、シワを伸ばし、返りを良くしてくれるのがシューツ リーの役割です。シューツリーには、素材もさまざまありますが、プラスチック製ではなく、木製のシューツリ ーを使用することをお勧めしています。
木製のシューツリーは型崩れを防ぎ、同時に湿気を取ってくれます。特にレッドシダーのタイプは吸湿だけでなく、消臭殺菌効果もあります。またシューキーパーを入れてお手入れすることにより、シワ部分やコバ周りもしっかりケアすることができます。
5、ホコリを落とす
靴を 1 日履いていると、ホコリが付着します。そのホコリを落とさずにいると、更にその 上に汚れが付着し、少しずつ革を傷めていくことに繋がります。
家に帰った際は簡単な「ブラッシング」を行い、その日のうちにその日のホコリを落とし ましょう。特にコバ周辺はホコリが溜まりやすいのでしっかり掃いましょう。日々の行いが長く愛用して頂ける事に繋がります。
6、つま先とかかとをチェックする
つま先やかかとの減りがないかチェックしましょう。大きなダメージになる前に適切なタ イミングで修理を行うことで修理コストも少なく済みます。
アッパーもそうですが、ダメ ージが大きいと修復が困難になっていく一方です。場合によっては修復不可能な状態になりえません。Boston&ReOlds で修理も行っておりますので、是非ご相談ください。
7、雨の日のケアは慎重に
雨などで濡れてしまった革を放置しておくと、乾く際に水分と同時に油分も蒸発してしまい油分が残っている部分とそうでないところのムラができ、雨ジミができます。
また、そのままにしておくと革が乾燥しひび割れを起こしてしまいます。雨に濡れてしまった場合は、表面の水気をタオル等で拭き取り、壁に立てかけて靴裏も乾かしましょう。
新聞を詰めたりされる方もいらっしゃると思いますが、詰めたままでは新聞が水気を吸収し、かえって靴の中が濡れたままになるので、細目に取り換えるなど行ってください。
8、出張時の持ち運び方
長期出張などで靴を持ち運ばれる方もいらっしゃると思います。出張の際でもしっかりシ ューキーパーを装着し型崩れを防いでください。
またその日に履いたものはしっかり休ませ、持ってきた別の靴とローテーションを行ってください。日々の取り扱いが大事です。
靴を大事にさせる方の中には靴の袋のうえにさらにタオルを巻いて持ち運ぶ方もいらっしゃいます。長く愛用して頂く為には靴を大事にしてあげましょう。