靴用語集

つま先革(バンプ)

靴の甲よりも前方の革。「つま革」「バンプ」とも呼ばれている。
このバンプが、飾り革で覆われているか、覆われていないかで靴の分類が変わる。覆われている場合は「ストレート・チップ」「ウィング・チップ」などのデザインで分類する事ができる。飾りが施されていない場合は「プレーン・トゥ」として呼ばれる。つま先は、革靴の顔とされている為、印象が強い。

アイレット

アイレットとはハトメのことをいう。靴ひもを通す穴の事。
アイレットは靴だけでなく布や皮革、紙などに開けた穴が破れないように補強する目的を持っている。表ハトメと裏ハトメがある。
例えば「二ツはとめ」なら2アイレット、「五ツはとめ」なら5アイレットという。

アッパー

アッパー(upper)とは、足の甲を覆う靴の素材です。「甲革」とも呼ばれます。靴によって形状は異なりますが、基本的にソール(靴底)を除いた甲を覆う部分をアッパーと呼びます。靴のデザイン性やファッション性を決める重要な部分とも言えます。牛や馬、豚、羊、ヤギなどの革や、ウールや綿のような生地など、あらゆる素材が用いられます。アッパーの縫い付け方は靴の製法によって異なり、外側に縫い付ける製法にステッチダウン製法、内側に縫い付ける製法にマッケイ製法などがあります。

アウトソール

本底または表底ともいわれ、靴底部の床面に接する部分およびその材料をさします。アウトソールには、足から身を守る防御性、汗による蒸れを軽減する通気性、吸湿性、雨や雪の侵入を防ぐ耐水性、滑りを防ぐ耐滑性、足や膝への負担を軽減する衝撃吸収性など、非常に多くの役割を持ちます。材料として革・クレープ・合成ゴム・スポンジ・ウレタン・ウッド・コルク・ジュートなどがある。

アーチサポート

アーチサポート(arch support)とはアーチを補佐するためのパーツを指す。アーチは足のかかとから土踏まずまでを支えているアーチ状の部分です。そこの部分をに当てて支えるのがアーチサポートだ。
アーチが足にフィットせず、足がつま先へ滑り込んでしまい、靴擦れを起こしてしまう例も少なくない。アッパーの高さやつま先の形状、アーチのフィット感などは、快適に歩行するための大きな要素になり、アーチサポートはそれを補う役割を持っている。

インソール

中底とも呼ばれます。靴の中に入れ込む中敷きをインソールと呼ぶこともあるが、本来は製造工程で縫い込まれた「中底」をさすのが正式。
インソールはアッパーと一緒に縫われた底のことでインソールの素材には天然皮革やレザー・ボード、パルプ・ボードなどが用いられており、こうした素材には耐久性高く返りのいい物また形状の保ちやすい物が選ばれる。

インナーソール

インナーソール(inner sole)とは、後入れや取り外しが可能な靴の中敷きのことです。インナーソールの種類には、足裏の形状に合わせて立体的にカットされた「フットベッド・インソール」や、凹凸のない「フラット・インソール」などがある。O脚やX脚を矯正する医療のためのインナーソールもあり、「足底板」「足底挿板」「矯正中敷き」などと呼ばれる。インナーソールは、通気性が重要となります。スニーカーのようにラバーソールが使用されている靴は蒸れやすいですが、布製などの通気性が高いインナーソールを使用することで、蒸れの軽減に繋がります。一般的には革や合成素材が用いられることが多く、中底の全面、あるいは部分的に貼り付けて使用することもある。

カウンター

かかと部分に挿入されている芯のこと。 通常硬い革が使用されている。 靴の形を維持し、足の踵をホールド・保護する役割がある。月型芯ともいう。
カウンターは足のかかとを保護する役割と靴の型崩れを防止する効果を持っていますが、かかとを踏んで歩くと、挿入されたカウンターが潰れることがある。靴の形状を損ねてしまうだけでなく、靴ずれの原因となる恐れもあります。
かかとはシューズにとって非常に大切な部位なので靴べらを使用した方が良い。

コバ

コバとは「エッジ」とも呼ばれ土踏まずの部分より前方を縁取るウェルトのうちアッパーよりも外側に出た部分のことです。コバが付けられる靴の製法は「グットイヤーウェルト製法」「マッケイ製法」「ブラック・ラピド製法」「セメンテッド製法」「ノルウィーじゃんウェルテッド製法」「ノルヴェジェーゼ製法」などがある。コバはデザイン的にも重要なパーツですが、アッパーを傷から守る重要な役割も併せ持っている。
日本には、コバのサイドに対して斜めに切れ込みを入れた「矢筈(やはず)仕上げ」、コバの縫い目の上にロウを飾り付ける「ロウ目付け」など、伝統的なコバ仕上げの技法がある。

サイドゴア

サイドゴアとは靴のアッパーの側面に縫い込まれたゴムの布を呼ぶ。
エラスティックとも呼ばれ、サイドゴアブーツの略称として使われることも。足首のホールド感をたまメル効果があり、伸縮性に飛んでいる為に側面のくるぶしの部分に使われることが多い。サイドゴアのゴムの部分が劣化し伸びた場合は、リペアが可能。

シャンク

本来は土踏まずの意味だか靴のその部分を同様の呼び方をする。
インソールに埋め込まれた芯材の事で「ふまず芯」とも呼ばれている。シャンク・ピースとは、ヒールのある靴に見られる土踏まず部分のアーチを支え、体重が掛かっても靴が歪まないようにする役割を持っている芯材。
木材や革、プラスチックなどの素材が使用されル事が多い。

ストラップ

ストラップとは帯状の紐をさす。
靴におけるストラップは足を固定するためのベルトやバンドを指す。
ストラップの有名な名称としては、「モンク・ストラップ」や「ワン・ストラップ」「クロス・ストラップ」「アンクル・ストラップ」などがありこれらは靴のデザインとして扱われている。靴紐はレースといいます

スパッツ

スパッツとは靴カバーを指す。
ふくらはぎやくるぶしから靴のアッパー部分を覆うような構造になっている。
第二次大戦後くらいまで欧州を中心に使われていたもので
路面状態の悪い市街で泥ハネを避けたり、軍隊では保温のために使われてきた。
19世紀から20世紀にかけてフォーマル用や防寒用として流行したものですが、
現在はくるぶし丈のものからふくらはぎ部分までを覆う、さまざまな長さのスパッツが登場。ショートブーツやロングブーツのように見せることもできるため、お洒落なアイテムとしても使われる。

スライダー

スライダー(slider)とは、靴に付いたファスナーを開閉するためのパーツです。ファスナーの噛み合わせが悪くなった場合はこのスライダーを交換する事で解消される場合もある。スライダーには様々なサイズ・形がある為リペアの際にアレンジすることも可能。

ソール

履もの全ての底の部分を呼ぶ。靴の内側の底をインソール(中底)、後から入れる中敷きをインナーソール、地面に触れる部分をアウトソール(本底)、インソールとアウトソールの間に入れるものをミッドソール(中板)といい素材は革製もしくはゴム製が代表的。

タックス

タックスとは製造の工程でアッパーをラスト(木型)釣り込む際に用いられる小さく先の尖った釘をいう。打ち込んだタックスはラスト(木型)の鉄板にあたり折れるか鋲状に潰れる様になっている。製造工程で革の厚さや用途に合わせて数種類のタックスを使用しますが、製作の途中で破棄してしまうものがほとんどです。最終的に残ったタックスはヒールなどで隠されます。

タッセル

タッセル(tassel)とは、靴の甲の部分に取り付けられる房飾りのことです。
ローファーやスリッポンによく見られる装飾です。
タッセルの付いている靴を一般的に「タッセル・シューズ」と呼びますが、スリッポンを特に「タッセル・スリッポン」ローファーを「タッセル・ローファー」」ウィングチップの装飾がされたものを「ウィング・タッセル」と呼ぶこともある。タッセル・シューズはもともと宮廷の男性用室内履きとして履かれており、兵士用のブーツにも施されていた。

ダブルソール

本底と中底の間にもう1枚のソールを入れた、二重構造の本底。
しっかりとした労働靴などに用いられる他にもあくまでデザインの観点から用いられることもある。丈夫な作りにはなるが履いた感じは固くなる事が多い。また靴自体も当然重くなる。二重構造なので、耐水性に優れ雨の日には適している。

チャネル

ウエルト製法の場合、本底や中底を縫いつける際に糸が通るよう、それぞれの縁に掘る溝。溝を掘る工程は「チャネリング」といわれます。

ティー・ストラップ

ティー・ストラップ(T-strap)とは、広くカットされた靴の履き口から、足首に向かって縦に伸びるT字型のストラップ。カットされた甲の中心部分から足首に向かって縦に伸びる細い革と、くるぶし付近の両サイドに渡された細いベルトによってT字型になっている。両サイドに渡されたベルトの片側にはバックルなどの留め具がついており、それを開閉することで着脱する事ができる。ティー・ストラップは足の甲をしっかり固定するため歩行が安定するだけでなく、足首とつま先の間に一本の革が縦に通っているため、足を細く見せる効果がある。ティー・ストラップはサンダルやパンプスなどの女性靴に用いられる場合が多いですが、子供靴にも見らる。

トップステイ

トップステイは履き口の外側に施される縁取りの部分。着用の際に摩擦が起こりやすいので、消耗しやいトップライン(履き口)を保護する事が目的。基本はアッパーと同じ素材を使用される事が多いがデザイン性を重視する観点で別の色が使用される場合もある。劣化した場合はリペアが可能。

トップパッド

トップラインの履き口にスポンジなどの芯を入れ、柔らかな素材で包みんで縫いつけたパッド。
足への負荷を軽減する事が目的。硬い革靴などでは逆効果になることもあるが、
履き口の足当たりをよくする為に、スポーツシューズやカジュアルシューズなどに利用される。

トップライン

靴の履き口の事。このトップラインがくるぶしよりも下であれば、短靴。くるぶしよりも上であれば、長靴(ブーツ)となる。ブーツの長さも様々で、トップラインの長さで細分化される。
「スーパーロングブーツ」「ロングブーツ」「ハーフブーツ」「ショートブーツ」「デミブーツ」など。履き口も様々で「スリッポン」の様に口の広いものもあれば、「アンクルブーツ」の様に狭いものもある。
寒冷地用のブーツとしてはトップラインいファーなどの防寒具のついたデザインもある。

ハトメ

ハトメとはアイレットとも呼ばれ主に靴紐を通す際の穴に付ける「金属の金具」や「プラスチックの金具」のこと。
ハトメの取り付け方は2種類あり、表から付ける「表ハトメ」裏から取り付けて表から見えない様にする「裏ハトメ」がある。
靴紐などの摩擦などで革や布などの素材の劣化を防ぐ効果がある。

バックル

バックル(buckle)とは、靴を足に固定するためのベルトに使用される、金属やプラスチック製の留め具と指す。
靴の場合「美錠」や「尾錠」とも呼ばれます。
バックルと言えばベルトや腕時計などにも使われる言葉ですが、靴の場合はストラップを止める金具をいう。
ベルトの様なタイプで穴の空いたタイプの物から穴はなく挟み込む様に使用されるものもある。

ヒールトップリフト

ヒールトップリフト(heel top lift)とは、ヒール本体を保護するために取り付けられるパーツのことです。革靴やハイヒールの先についた革やゴム素材などで作られた部位。「トップ・リフト」「トップ・ピース」「化粧」「化粧革」などと呼ばれる。歩行での劣化が生じた際はこのヒールトップリフトを交換する事ができる。

ヒールブロック

ヒールブロックは靴のかかとの部分の本体をさす。
このヒールブロックは層になっており、アウトソール、ヒールブロック、トップヒールリフトの順に重なっている。ヒールブロックに用いられる素材は合成ゴムや革積み、木、プラスチック、軽合金など。
足にかかる体重を支える役割。高さ調節も可能な為歩きやすい高さを作る事ができる。

ヒール巻き

ヒール巻き(heel cover)とは、ヒールに巻かれるシート。ヒール巻きの素材には薄い皮革素材や合成素材などが用いられ、木製やプラスチック製、金属製のヒールに巻かれる。アッパー(甲革)が革で作られていたとしても、違う素材で作られていることも多い為ヒールにシートを貼ることで一体感を持たせる効果がある。俗にヒール巻きが施された靴は「巻きヒール」と呼ばれる。ヒール巻きには傷が付いてめくれてしまっても新しく巻き替えることができるというメリットもある。

ビブラムソール

ブラムソール(vibram sole)とは、イタリアのソールメーカー「ビブラム社」が開発・製造しているゴム製のアウトソール。
ビブラムソールは軽く、防滑性に優れ、山道などで滑ってしまったとき、土に食い込ませて踏ん張れることができるようにソールの凹凸をスパイクタイヤのようなギザギザにしてある。

フットベット

解剖学に基づいてつくられた中敷。足の裏に当たる面は、足の裏の起伏に添って凹凸の立体形状を施すことで足全体を支え、足を安定。この起伏のつけ方によって、足のトラブルを緩和・矯正することも可能。

プルストラップ

靴のかかとの崩れを抑止する為のパーツ。かかと部分に付けられたストラップで靴べら使わずに履く様な靴に付けられている。
スニーカーなどを履く場合は靴べらを使って履くことは少なくかかとも柔らかい為に脱着じの型崩れを防止する事が目的。ハイカットのブーツや「サイドゴア・ブーツ」など履き口が小さく履きにくい靴に用いられる事が多いとされている。

ペッグ

靴をつくる際に使用する木製の釘。ペッグ(peg)とは、靴作りに使用する木製の釘。日本では「ペース」と呼ばれています。現在、靴作りに使用される釘は木製ではなく金属製の釘やタックスが一般的であるため、ペッグという言葉はタックスなども含めた「製靴で用いられる釘」全体を指すことが多いです。ペッグはアッパーの釣り込みやヒールの積み上げなどに用いられます。

ボウ

ボウ(bow)とは、アッパーに施されるリボン飾り(蝶飾り)のことです。
ネクタイなどでも「ボウタイ」と呼ばれる事もあるが靴ではリボン飾りを指す。ボウはアッパーのつま先やかかと部分に付けられることが多い。スリッポンやパンプスでよく見られますが、スニーカーのような紐靴に取り付けられることもあります。もともとは紳士靴の飾りでしたが、現在は女性靴で用いられるのが一般的です。

マッドガード

マッドガードとは、本来はアッパーとソールの接続部分に使われる部位。
直訳は「泥よけ」革やゴム製の素材でソール部分に接着する為、防水性に優れ雨に強い。最近では、チャッカブーツに装飾としてマッドガードが施されているもの増えていて靴のデザインとして「マッドガード」と呼ばれる事も多い。
イギリス国防省向けに供給されるレザーシューズのほとんどを製造している 【SANDERS】のチャッカブーツもマッドガードがされておりカジュアルにもフォーマルにも使える事で人気だ。

メッシュ

糸やヒモで綴(つづ)るか、または編んだ、通気性に富んだ素材。
主に夏ものとして使われまた、スポーツスニーカーなどに使われる事が多い。
材料としてはリンネル・木綿・合成繊維・革などがあります。
革製のものは「レザーメッシュ」。

モンクストラップ

ヨーロッパ修道僧が履いた靴で、インステップはバンドつき、側面はバックル留めとなっていました。
モンクストラップ(monk strap)は、「モンク」と呼ばれる靴に付いているストラップのことです。また、「モンク」そのものを指して用いることもあります。モンクストラップは靴のインステップから側面に渡っているストラップでバックルで固定します。紐靴とは違った印象を与えるため、デザイン的な効果も大きいですが、本来の役割は甲の高さを調節するという機能的なものです。
モンクストラップは元は靴のデザインとしての名称ですが、現在は靴の種類として呼ばれる事もある。バックルは革とゴムの2種類がありストラップが2股になっていて2つのバックルで留めるタイプを「ダブルモンクストラップ」と呼ぶ。

モールドソール

モールド・ソール(mould sole)とは、鋳型にゴムなどの素材を流し込んで成型したソールのことです。革を重ねて作るソールではなくラバー素材などで一層で作るのが特徴。プラスチックやゴムのソールを成型する際に用いられ、
「バルカナイズ式製法(vulcanizing process)」や「インクジェクションモールド・システム(injection molded system)」などの製靴法で採用されている。型のデザインを帰る事でラバー素材やプラスティックに模様を施す事ができるのでより複雑なデザインが可能。

ユニットソール

ユニット・ソールとは、本底とヒールを一体で成型したソール。
ゴム・ウレタン・プラスチックなどの材質がある。ユニット・ソールの成型はアウトソールとヒールを一度に取り付けるので作業効率が良く、ソールとヒールを別々にするよりも製造コストが低い。素材にはゴムやウレタン、プラスチック製の合成樹脂などが使用されており、グリップ力の高いゴム素材を使用すれば滑り止め効果が高まる。「オールソール」という修理が可能。「オールソール」とは靴底全体を張り替える修理をいう。

ラバーソール

ラバーソールとは、ゴムを素材としたソール。
ゴムのクッション性の高さから疲れにくく学生用のローファーなどに使用される事が多い。耐水性も優れているので「デッキシューズ」などの水場で使用される靴にも適していると言える。

リブ

ウエルト製法で、中底に溝をつくる際に、掘り起こされた革の薄いつまみ。
掬い縫いの工程があるグッドイヤーウェルト製法で立てられるつまみです。ハンドソーンウェルテッド製法の場合は手縫いで掬い縫いを行うためリブが付いていませんが、グッドイヤーウェルト製法は掬い縫いをミシンで行うため、リブが立てられます。

レザーメッシュ

スリッポンなどで多く使われる細くカットした革を編み込んだもの。
通気性の良さから夏用の靴に使われる事が多い。靴だけでなくカバンや財布などの革製品に使われる事も多い。

レース

レース(lace)とは、靴に結ばれるひものことです。ひも靴を指す場合もあります。「レース・シューズ(lace shoes)」と呼ぶ場合は編み上げの短靴(オックスフォードシューズ)を、「レースド・ブーツ(laced boots)」は編み上げの長靴(ブーツ)を指します。レースの通し方で印象も変わる為様々な結び方がある。「シングル」と呼ばれる通し方は、つま先側の一方と、もう一方の履き口側の穴に斜めになるようにレースを通し、つま先側のレースから履き口方向に向かって通し上げる方法。締めやすいですが、緩みやすいという欠点もあるのでスポーツシューズには適さない。ほかにも「アンダーラップ」や「オーバーアンダー」、「ボータイ」、「オーバーノット」などの通し方があり、なかには2本のレースを使用したものや、ブランドで独自に開発されたものなどもある。

一枚甲

一枚甲(whole cut)とは、靴のアッパーを一枚の革で形成したものを指す。
甲が一枚だけということから、ホール・カット、ワンピースと呼ばれることもある。一枚甲の靴は木型に沿った丸みのある型になるので繊細な印象になる。

先芯

釣り込みの際に、表甲と裏甲の間に挿入する補強材。トウ部分の形やトウスプリングを維持し、靴を履いたときに爪先が横にずれないようにする一方、外部からの衝撃も防ぐ。天然皮革ではタンニンなめしのぎん付きおよび床(とこ)革、合成ものでは不織布に合成樹脂を浸み込ませたもの、薄い布類や上質の和紙、サーモプラスチック樹脂をアッパーの先裏にプリントするものがある。

半敷

インナーソールの半分の中敷をさす。全中敷と半敷がある。
紳士靴などに多く使われ、カカトから土踏まずにかけて敷かれるタイプとつま先に入れるタイプがある。
摩擦や圧力によって消耗しやすいカカトの補強になるだけではなく厚みを持たせる事で背を高く見せる効果もある。

腰裏

腰裏(Quarter lining)とは、裏地の腰革を指す。「クォーターライニング」や「スベリ革」とも呼ばれる。靴のかかと部分のアッパーである「腰革(クォーター)」の、足と接触する内側部分の生地が腰裏。生地の素材には、馬革や豚革、人工皮革、布など、外側と比較して柔らかな素材が使用される。足には優しいですが、着脱や歩行の摩擦によって擦り切れたり潰れたりする場合もある。

舌革

爪先革から足のインステップまで伸びている革。中でも、下端が短靴の爪先革に縫いつけられ、上端が紐部の下を通り、トップ・ライン前部まで出ているものは「ベロ」と呼ばれる。

裏革

靴のアッパーの裏面に貼り付けられる革のことを指す。アッパーと裏革の2枚を重ねることによって強度を上げるだけでなく、裏革の表面の滑りを良くすることで足触りを快適にする目的がある。裏革には肌触りの良い山羊の革や馬の革、豚の革や合成皮革などを使用。馬の革は丈夫で通気性に優れており、豚の革は柔らかいのが特徴。また、裏革は立体的な足の形にフィットするように、靴の先端部分にあたる「先裏」と、後方部分の「腰革」に分けられている。

飾り革

飾り革(cap/tip)とは、靴のつま先革(バンプ)の先端を覆う革片。
「トゥ・キャップ」とも呼ばれています。「ストレート・チップ」「ウィング・チップ」「Uチップ」などがある。

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