レペット
#Repetto
足に手袋を着けたような履き心地の靴
1947年、フランスの名の知られたバレエダンサーで振付家のローラン・プティ氏の母親ローズ・レペットがパリの国立オペラ座のほど近い一角に部屋を借り、バレエやダンス用シューズのワークショップをオープンしたのが レペットの始まり。
1956年には、映画「素直な悪女」で用いる靴をブリジット・バルドーがリクエストし、カーマインレッドが美しいフラットバレリーナシューズが誕生する。この靴は瞬く間に大ヒットとなり、70年代に入るとファッションアイテムとして使える靴も展開するようになった。
1959年には、レペット最初のブティックをパリのラペ通り22番地にオープン。ベジャール、ヌレエフ、バリシニコフ、カロリン・カールソンと言った、世界中の一流ダンサーがダンスシューズやウェアを買いに訪れる場所となった。
1967年にはブランド拡大のために、ローズレペットはフランスのドルドーニュ地方、サンメダール・デクシドゥイユに生活拠点を設け、現在もトゥシューズとバレリーナシューズはこの工場にて“スティッチ&リターン”製法を用いて作られている。
1970年代は、ZIZIを愛用していたセルジュ・ゲンズブールがブランドアンバサダーとして知られるようになりました。2000年には、イッセイミヤケと、2004年にはコム・デ・ギャルソンとのコラボレーションシューズなどのコラボレーションシューズを発売するなどして、進化を遂げている。
2005年にはドルドーニュの工場で100万足目のバレリーナシューズが作られ、その後、フランスのコンピエーニュ工科大学とパートナーシップ契約を結び、革新的なトゥシューズの共同開発を行っている。
2007年にはブランド設立から60周年を迎え、60名の著名人とコラボレーションを発表する。ジャンポール・ゴルチエやヘルムト・ラング、マスターマインドなども参加し、商品の利益を世界のダンススクールに寄付した。
2009年に入ると、カール・ラガーフェルドとコラボレーションしてフラットサンダルおよびプラットフォーム・ヒールをリリース。2015年にはレペット初のベビーライン「ミティック・ベベ」をスタートし、現在に至るまで幅広い年代のファンに支持されている。
レペットの特徴としては、足に手袋をはめているような履き心地と言われ、ダンスシューズに用いられる製法をもとに編み出された「スティッチ&リターン(縫ってからひっくり返す)」という製法は、ローズ・レペット氏が開発したテクニック。ダンスシューズに限らず、現在はタウン用のシューズにも用いられている。
2012年には工場の近くに靴職人になるためのトレーニングスクールを設立している。ブランドの拡大に対応するために工場で働く職人たちに革の縫製のトレーニングを目的に作られている。驚くことに半年でレペットの代名詞でもある“スティッチ&リターン”製法を身につけるそうだ。
現在はバレエダンサーはもちろん、ショービジネス関係者や、一般のユーザーにも高い人気を誇るファッションブランドになっている。特に、縫い目を排除してつま先部分にごろつきを感じないバレエシューズの技術を応用したタウンシューズは、履き心地の良さとハイセンスなデザインで爆発的な人気となり、レペットは一躍有名になった。レペットの製品はセレブリティにもファンが数多く存在し、様々な著名人とコラボレーションして製品を生み出すことでも知られている。